犬を飼うことについても反対派が多いイラン。
国が犬の飼育を控えるよう市民に圧力をかけています。
ましてや犬を散歩させることは一般市民に不安やパニックを覚えさせることがあるとして、
このたび”公共の場での犬の散歩禁止”という法律が施行されることになったそうです。
イラン政府は犬を「不潔」なものとみていて、
公衆に「恐怖と不安」を与えているためと説明しています。
今回の法律は、”犬を車に乗せて移動することも禁止する”と付け加えています。
もし犬を車に乗せて走行しているところを発見された場合、
車のオーナーに対して厳しい刑事措置を行われるほか、
また、もし公共の場で犬を散歩させているところを発見された場合、
飼い主に罰金や鞭打ちの刑を科されるかもしれません。
この法律は、先日、10歳の少女がリードを付けられていない犬に襲われ、重傷を負ったことで、急遽、施行に踏み切られたとみられています。
犬に対して大変厳しいイランですが、これは最近根付いたものではないようです。
1979年のイラン革命以来、犬を飼育することや公共の場での散歩についてずっと議論が続いており、
イスラム教の聖職者たちの長年の働きかけによりようやく実現した、ということのようです。
犬をペットとして飼うことは、革命で追放されたパフラヴィー朝の西欧主義の象徴とされているからです。
つまり宗教的な見解が絡んでいるんですね。
しかし日本でも、犬の散歩を不愉快だと感じている人がいるかもしれませんよ。
いまだにウンチの放置、リードなしの散歩を見かけますからね。
犬を飼っている私でも不愉快を感じる時があります。
日本では”公共の場で犬の散歩が禁止”の法律が施行されることはないと思いますが、
飼い主はマナーを守って不快だと思われないように気を付けましょうね。